「Google it!」と言っている
自分も普段そうしているが、店にくるお客さんはほとんど皆必ず消毒液のポンプの前で足を止める。そして老若男女様々な人がレジの前のマスクを見つけると少し考えるそぶりを見せる。
今までこんなに沢山の、そして様々な属性のお客さんを引き付けるような商品は存在しなかったように感じる。店の中で皆が同じ行為を自らする文化も無かったはずだ。その様子を眺めていると、世界はすっかり変わったのだなとすごく不思議な気持ちになる。
そしてこの景色を見るたびに、ずっと昔に教わった「大きな物語」という言葉が頭をよぎる。現在のコロナの世では、ある種の「大きな物語」的なものが生まれているのではないか。
それぞれがそれぞれのために生きていたのが当たり前だった少し前の世界。皮肉なことにウイルスによってその世界がひとつになろうとしているのだろうか?
「大きな物語」が何なのかさっぱり忘れたままつらつらと書いてみたが、忘れたものは分からない。昔の先生が頭のなかで「Google it!」と言っている。いくつか本でも読んでみよう。